みなさん世界遺産検定を知っていますか?
世界遺産検定とは、NPO法人 世界遺産アカデミーによって運営されている民間の検定試験です。世界各国の世界遺産を学ぶことで、幅広い知識と教養を身につけられる試験です!
目的としては人類共通の財産・宝物である世界遺産を通して、国際的な教養を身に付け、持続可能な社会の発展に寄与する人材の育成を目指すための検定です。
世界遺産を通して様々な課題について考え、SDGsとも結びつけて考えることができます。
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)別ウィンドウで開くの後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
資格は、4級~マイスターの5段階に分かれており、それぞれ対象となるレベルがあります。
大学生〜社会人ですと2級、社会人レベルだと1級になります。ただし1級の受験資格は2級検定者なので、まずは2級を目標に勉強するのが良いでしょう。
世界遺産とは?
最近ですと、奄美大島・沖縄本島北部の森林など 世界自然遺産登録の見通しになりましたよね!でも世界遺産とはそもそも何なんでしょうか?
1972年のユネスコ(国連教育科学文化機関)総会で「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)」が採択されました。
この条約は、文化遺産及び自然遺産を人類全体のための遺産として、損傷、破壊等の脅威から保護し、保存することが重要であるとの観点から、国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的としています。
世界遺産とは、この条約に基づいて登録された文化遺産、自然遺産です。登録には、顕著な普遍的価値を有するなどの条件を満たしていることが必要となります。
世界遺産には、記念工作物、建造物、遺跡などの文化遺産、動植物の自生地や自然景観などの自然遺産、それら両方を有する複合遺産があります。令和元(2019)年7月現在で、登録されている世界遺産は1121件(文化遺産869件、自然遺産213件、複合遺産39件)あり、そのうち日本からは23件(文化遺産19件、自然遺産4件)が登録されています。
世界遺産が登録されるまでいくつもの手続きや調査があります。
詳しくはこちらをご覧ください👇🏻
検定を受験・取得するメリット
国際的な教養が身につく
世界遺産検定は、世界193ヵ国に登録されている1000件以上もの世界遺産を学びます。その性質上、歴史や文化、地理の知識が身につき、異文化理解やグローバルな視点を育むことができます。
海外旅行をするときなども、事前の知識や文化的な背景を理解しているかどうかで旅の充実度も変わってきます。
理由として世界遺産では文化財や絵画の説明がほとんど英語なので、全てを理解できる英文読解力がないと厳しいです笑
その点、世界遺産検定で勉強していると説明を読まなくてもある程度は理解できると思います!
旅に出る目的が明確になり、楽しみになる
学習を通じて、世界遺産を体系的に学ぶことでその価値や魅力を今まで以上に理解することができます。
そして検定に向けて勉強していると、何箇所も行ってみたいと思う世界遺産が出てきます。
ちなみに筆者は「写真の景色を実際に見たらどんな感情になるのだろう?」と想像を膨らませながら勉強していました。
勉強というよりは、行きたい場所について知るために調べる感覚でしたね。
話のネタになる
世界遺産に詳しくなることで、日本や世界の歴史にも詳しくなります。
例えば、日本で世界遺産に登録されている富士山は文化遺産として登録されています。
「なぜ自然遺産ではないの?」と多くの人が疑問に思うと思います。
実は富士山を世界遺産に登録する活動は当初、自然遺産を目標に始まりました。1992年には、自然保護グループでつくる「富士山を世界遺産とする連絡協議会」も発足しています。
世界自然遺産の候補地として、国内の検討会で富士山を含めた地域が浮上したこともあります。しかし、富士山は国内の検討会でも世界自然遺産の候補から落選してしまいます。
理由は
①世界の山々に比べると、富士山の形や火山活動などはそれほど珍しくないこと
②富士山の開発が進んでいた。ゴミや屎尿(しにょう)などを原因とする環境の悪化も深刻だったから
これらの理由で、富士山は世界自然遺産にはなれませんでした。ならばと、目標を文化遺産に変更して、見事、富士山は2013年「世界文化遺産」として登録されました。
自然遺産になることは逃しましたが「信仰の対象と芸術の源泉」として認められました。
富士山は古来、噴火を繰り返す山として畏(おそ)れられるとともに、富士山に住むとされていた神仏への信仰から敬われてもきました。
高く美しく荘厳な姿も含め、富士山は山そのものが神聖視され、信仰の対象になっていきました。平安時代後期には、山岳信仰や密教などが結びつき、多くの修験者(しゅげんじゃ)が集うようにもなりました。
神聖な存在である富士山を遠くから拝む「遙拝(ようはい)」、ご神体である富士山に登る「登拝(とはい)」も行われるようになりました。
江戸時代には、さまざまな絵の題材にもなっていますよね!
葛飾北斎の『富嶽三十六景』や歌川広重の『東海道五十三次』などの浮世絵には富士山が描かれています。
ゴッホやモネなどの印象派の画家は、これらの浮世絵から大きな影響も受けています。
古代から連綿と続く人々のこうした思いと行いが「信仰の対象と芸術の源泉」と評価され、富士山は世界文化遺産に登録されました!
説明が長くなってしまいましたね笑
でもこうした豆知識を蓄えることができます。必ず役立つわけではないですが、知っているだけで少し見方が変わりますよね。
筆者も昔の人も山岳礼拝のために登っていたと考えながら、富士山を登っていました笑
こちらの記事で富士登山について書いています👇🏻
就職活動でアピールできる?
世界遺産検定を取得していることで観光業界への就職に有利になる場合があります。
実際に以下の企業では世界遺産検定を社内推奨資格として認定しており、入社前に取得していることは一定の評価に繋がるのではないでしょうか。
・JTBグループ
・KNT-CTホールディングスグループ
・阪急交通社
・日本旅行
特に航空業界・旅行業界では就職後も役立つ資格とされています。実際、旅行業界などでは世界遺産検定に注目しており、エントリーシートの資格欄に「世界遺産検定」という欄を設けている企業もあります。
旅行業界であれば、ツアーなどの旅行商品を企画する際や、窓口での営業、添乗業務などで幅広く活かせます。
世界遺産についての知識を持っているからこそ、より魅力的な商品やサービスで高い顧客満足を得られる可能性があるのです。
旅行関係以外の業界でも、面接で趣味についての話題になれば、そこから話しを広げて世界遺産に持っていくこともできます。
国際理解やボランティアの経験、社会に貢献したいという熱意、旅行好きでフットワークが軽いことなどをアピールするチャンスも生まれるでしょう。
アピールが可能で、かつ好印象を与えられるのは、少し勉強が必要な3級からです。
3級以上であれば問題なくアピールは可能であるため、まずは3級の取得を目指したいですね。個人的にはある程度の難易度で勉強も必要な2級を目指すことをおすすめします!
大学入試での優遇措置はあるの?
世界遺産検定は全国230以上の大学・短大の入試で優遇措置が受けられる資格として採用されています。
世界遺産を通じて、さまざまな国の歴史や文化、地理を学ぶことは、学部を問わず大学での学びの基礎教育となるからです。
ただし、優遇措置があると記載してあるほとんどの大学が「その他」の優遇措置となっており、面接時の参考として使われたり、資格を取得した努力を考慮される程度のため、大きなメリットを感じられないことも多いです。
そのため優遇措置を受けるために勉強するというよりは、検定を取得していて優遇措置を受けられたらラッキー程度に考えておきましょう!
世界遺産検定2級に一発合格するための勉強方法
筆者は約2ヶ月間のんびり勉強して合格できました。その勉強方法をシェアしたいと思います。
世界遺産検定2級はマークシートの選択問題で、問題数は60問で試験時間は60分です。合格基準は100点満点中60点以上となっています。
学習のポイントは
日本の全遺産と、主要な世界の遺産300件が範囲となります。「文化的景観」や「地球の歴史」のようなテーマごとに特徴をつかんで学習することが重要です。また日本の遺産については、登録基準も覚えるようにしてください。世界遺産委員会の結果や、審議された日本の遺産も出題される可能性があります。
https://www.sekaken.jp/each_grade/ex_class2/
問題の比率や例題はこちらになります👇🏻
テキストと問題集を揃える
まずはテキストと問題集を購入しましょう!世界遺産検定では公式のテキストと問題集があるのでこちらを使えば間違いないです👇🏻 こちらは最新版です!!
まずは問題集を解く
最初に問題集を解いてみましょう!分からないことばかりで、日本の世界遺産でさえも難しく感じると思います。
しかし、全く心配する必要はありません。現状の自分のレベルと、検定問題の構成を把握するために行います
テキストは『世界遺産の基礎知識』から!
テキストのチャプター1に『世界遺産の基礎知識』のページがあります。まずはここを熟読しましょう!
世界遺産誕生までの流れや、世界遺産登録の条件、登録基準など大事な部分がてんこ盛りです!
こちらの登録基準はしっかり覚えてください👇🏻
こちらのチャプターでは機関の名称はもちろん、細かな数字などもできるだけ覚えましょう。
テキストを全体的に読み込む
最初から読み始めてもいいですし、興味がある世界遺産から読んでもいいです。
ここで意識して欲しいのは登録基準と照らし合わせて、なぜ登録されているのか考えるようにしてください!
例えば、日本の自然遺産である『屋久島』は登録基準(vii)と(ix)が該当しています。
この登録基準から自然美や生態系の点から価値のある場所ということが分かります。
このように世界遺産と登録基準を結びつけます。そうすることで単なる暗記ではなく、背景的な部分が補完されるので記憶に残りやすくなります。
再度問題集にチャレンジ
テキストを一読したらまた問題集を解いて見てください。以前よりも、知っている名前や場所が増えていると思います。
でも知識としては正確ではなく、なんとなく選択肢から選ぶことになるでしょう。それでいいです。
でも問題集を何度も解いているとキーワードや、言及されやすいところが感覚的に分かるようになってきます!
そこで出やすいキーワードを、テキストにマークしていきましょう。そうすることで、テキストを読んだときに大事な部分だけを抑えることができます!
国の位置、人の名前も徐々に覚えていく
世界遺産がある国の歴史的な背景や気候など、地理的な条件を知ることで理解が進みます。
例えば雨が降りずらい地域では、建物に特徴が表れます。また、宗教的な意味合いが強い建物は決まった様式で建てられているなどです。
中には、それを建てるきっかけとなった人物にフォーカスが当てられています。その人物が何を成したのか知れば、地域に与えた影響も分かってきます!
勉強方法のまとめ
上記に書いてあるように基本的には問題集→テキスト→問題集を繰り返していきます!
その中で、出題されやすい箇所を把握していき、細かな部分を補足していくのが効率がいいです。
こちらの勉強法をすれば2級に合格できる力を身に着けられると思います。
2級に合格したら1級に向けてテキストを読み始めてもいいかもしれなませんね。
大辞典とあるように上下巻に分かれており、かなりのボリュームです笑 しかし、読んでいるだけで単純に面白いです。全世界遺産が網羅されているので、旅行先の知識として知っておいて損はない内容です!!
まとめ
世界遺産について学ぶことで「戦争のない平和な世界の実現」にもつながると思います。多様性を受け入れ、地球の環境を保全するためにも大きな意義があります。
それはユネスコの目的は国際平和の構築だからです。世界遺産を通して相手の文化に興味を持てば、知らなかった人達との会話が始まり、相互理解が高まれば戦争はなくなるだろうという考え方です。
今回の記事を通して少しでも世界遺産に興味を持っていただけたなら嬉しいです!
それではまた次の記事で!
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